機械式の腕時計をお持ちでしたら、オーバーホールという言葉をご存知か、聞き覚えがおありではないでしょうか?これは日本語で「分解修理」と申しまして、時計内部の回路(ムーブメント)をバラバラにし、専用の機械と液剤によって洗浄、そして油(グリス)を注しながら組み立て直す一連の工程を表しております。
お時計の内部は、極めて精密な構造にございまして、それ故に使用環境の些細な変化や経年劣化の要因で、少しずつコンディションが変化してまいります。私たち名古屋時計修理工房の経験では、密封のために用いられているパッキンが悪くなり、そこから入り込んだ湿気が金属製の部品を劣化し錆びてしまうというケースが多くございました。
一旦錆びてしまった部品は、磨くことができないため取り替えるほか、対処のしようがございません。もしお時計そのものが問題なく動作していたとしても、分解修理を行うプロセスで新たな問題に気付くことができ、最終的にお客様が負担されるコストが下がるという意味でも、私たちはオーバーホールの重要性を認識しております。
とはいえ、決して安価な作業ではございませんから、その点も理解したうえで…。
とりわけ頻繁に話題になりますのが、オーバーホールの頻度でございます。
3年に一度、もしくは5年に一度など、私どもがお世話になっている職人さんによっても意見が分かれますので、一概に申し上げることができません。(私どもの事例ですと、20年以上ものあいだ、一度もオーバーホールされずに時を刻んでいた時計もございます。。)ただ、自動車などと同じように、定期的に油脂を交換したり、小さな問題の芽に気付くという意味で、オーバーホールを行うことには価値があるはずと考えております。
また費用につきまして、過去の実績より概算をお伝えいたしますと、オーバーホールにかかる費用はおよそ25,000円から40,000円ほどとお考えくださいませ。コンディションが良く部品の交換などもなければ、おそらく正規店よりも良いパフォーマンスをご提供できるでしょう。
ただし、私たち名古屋時計修理工房は、創業から一貫して「いちど時計の内部を拝見した上で、修理の方法と費用をお伝えする」という方針を採っております。もし、修理に掛かる費用が予算に見合わなければ、遠慮なくお断りくださいませ。その際、返送の費用はご負担いただきますが、必要以上にお支払いをいただくこともございませんし、職人たちに負担を強いることもなく、とても健全な関係性を維持できます。この点についても、ご理解をいただければ幸いでございます。
お困りのことがございましたら、まずは「お問い合わせ」よりご相談をお寄せください。確認次第、担当より折り返しご連絡をいたします。
もし、お問い合わせを急がれる場合は、こちらよりご相談くださいませ。
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2024年1月31日(水)
株式会社修理工房
社員一同